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スマートファクトリー

  • 2021年12月2日

皆さんは「スマートファクトリー」という言葉を聞いたことがありますか?

スマートファクトリーとは、”ITによって生産工場の全体的な生産性向上を図る”というものですが、
「工場 × IT」というと製品を組み立てるような自律ロボットなど派手な光景を想像するかもしれません。
しかし実際に生産性を向上させようと思うと、うってかわって地味な努力の積み重ねになります。

まず生産工程別に”時間がかかっている工程”はどこか?をつきとめる必要があります。

ただそれは作業担当者や管理者に聞いても正しい答えは返ってきません。
多分に主観や社内事情が入るからです。

・時間がかかっている=大変な仕事をしている
・時間がかかっている=仕事が遅い

どちらに転んでも正しい情報ではなくなります。

ではどこから情報を得るのか?
それは実際の生産工程から得ます。

具体的には製品がその工程に入った時間とその工程が終わった時間を取得します。
よく「着完を取る」なんて言葉でいいますが、生産ラインにセンサーを取り付け、
自動かつ正確なデータを取得します。
センサーでの判別が難しい工程であれば、着完ボタンというものを作り、
作業の始めと終わりにボタンを押してもらいます(だいぶアナログですが)。

これを全行程で取得すると、どの工程で時間がかかっているか(いわゆる歩留まり)が客観的にわかります。

そうすると意外な工程に時間がかかっていることがわかります。
ある工場では生産効率を上げようと大掛かりな生産ロボットを導入しましたが、
実際に時間がかかっていたのは検品作業でした。
実はここでも社内事情がからんでいて、ロボットなどが活躍する加工は社員が、
検品はパートの方が担当していました。

時間がかかっている工程がわかったら次はその工程をどうやって短縮するか(早くさばくか)ですが、
ここでもさらに分析していきます。

・工程内の動線
・道具の置き場所
・一度に処理する数の変更
・前後工程の見直し

こうして並べてみると結構地味ですよね(笑)

一つの工程だけスピードアップしても、他の工程の処理が間に合わなければ、
歩留まりの場所が変わるだけで、ライン全体のスピードアップにはなりません。

これは原材料の搬入から、製品の出荷配送まで含めて言えることです。

”派手なギミックを導入するよりまず正確なデータを取得する”

もしかしたらどこの職場でも同じことが言えるかもしれませんね。