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スタンダードな気持ち

  • 2022年4月14日

人は何かを見たり判断したりするとき、
無意識に自分の中の基準とやデータと照らし合わせ、
それが”どんなものなのか”というのを認識します。

普段はあまり意識しませんが、
マニュアル作成や、自分以外に向けて何か情報を発信するとき
”他者と自分の基準の違い”に遭遇し、びっくりすることがあります。

以前ある会社でガラケーからスマートフォンに移行した際、
年代別のアンケートを実施しました。
「スマートフォンに替わって仕事が便利になりましたか?」
という質問に対し、
・20-30代 100%
・40代  80%
・50-60代 30%

という結果が出ました。

全員同じ職種で同じ業務をしています。
そこに同じモノを導入したのですが、
年代別での結果が大きく異なっていました。

導入する側は、当然メリットがあるので導入するのですが、
50-60代ではそのメリットが生かされなかったわけです。

その50-60代に対しヒアリングを実施したところ、
・画面の字が細かくて見づらい
・ボタンがないため、どう操作していいかわからない
・文字入力がし辛い
という意見が出ました。

これらの意見は導入側では想定していませんでした。
なぜなら導入する人達はスマートフォンの文字が見にくいことはなく、
入力や操作に手間取ることなどないからです。
そんなことに困る人がいるなんて夢にも思いません。

逆のパターンとして、
ガラケーを最初に手にした新入社員はガラケーの使い方が
全くわかりませんでした。
電源の入れ方、電話の出かた、電話の切り方、マナーモードの設定など。

新入社員いわく、
限られたボタンに複数の機能が割り当てられているから
非常にわかりにくい。
ゲームの隠しコマンドのようだと。

これもガラケーを渡した会社側では想定していませんでした。
ガラケーの操作など常識だったからです。
おそらく電子レンジが使えないとか、
そういうレベルに感じたと思います。

人それぞれのスタンダード。
それは価値ではありますが、同時にギャップを生んでしまう。
そのギャップを楽しみながら、柔軟に対応したいものですね。