いまや当たり前になっているWEB会議
しかし今までの対面の会議とくらべて、
WEB会議特有の”負担感”を体感している人は多いのではないでしょうか。
今回はその負担感の原因の一つとして考えられる「視線の不一致」
について考えてみたいと思います。

まず「視線を合わせる」ことの意味です。
いままでの対面の会議では、発言者に対して視線を合わせることは
当たりまえにされてきたと思います。
視線を合わせることによって、
”話を聞いている”だとか、”理解している”、”ポジティブに捉えている”
といったニュアンスを、自然と発言者に伝えています。
逆に捉えると、発言者は「視線をあわせた」ことによって、
これらの情報を得ているということになります。

では視線が合わないととうなるでしょう。
特にWEb会議ではカメラが必ずしもベストな位置にあるとは限りません。
発言している自分の視線と画面に写っている相手の視線がズレることによって、
前述の視線を合わせることで得ていた情報が伝わらず、
視線を合わせていないことで伝わる情報、
”話を聞いていない”、”非協力的である”といった
情報を得てしまうことになります。

この影響はけっこう大きく、
いっそのことお互いカメラをオフにした方が、
コミュニケーションが良好になる場合もあるぐらいです。
電話でお互いの感情が伝わったり、
作画がおかしい漫画より小説のほうが没入しやすかったりするのに似てますね(笑)

コミュニケーションの補完情報である”相手の映像”が、
視線が合わないことによりネガティブな補完情報として届いてしまう訳ですね。

それほど視線と言うのは、多くの情報を伝えています。
一節によると、この視線に敏感なのは人間特有のものらしく、
人間の目でいわゆる白目の部分が多いのは、
この「視線」をより強調するためのものだという話があります。

確かに白目があるお陰で、
”どこを向いているか”というのがわかり易くなりますし、
白目の露出の大きさを帰ることによって、
驚いたりするときのように、表情を豊かにし、
相手に多くの情報量を伝えていますね。

動物やロボットのキャラクターに親しみを持たせたい場合、
白目を描くと言うのは有効な手段の一つとして多用されています。

この、人間が持っている「視線を敏感に感じて視線から情報を得る」特性を
理解しないと、WEB会議は苦痛なものになるでしょう。
WEB会議のカメラの位置も重要ですし、
相手の発言に対して、多少大げさににうなずくことも必要かもしれません。

実際に「うなずき役」をアサインして、
発言者の負担を軽減するやり方は、大学のWEB講義などで
実践されています。

将来的には、視線を自動追従して、
画面のどこを見ていてもカメラ目線になるようなソリューションがあれば、
かなりWEB会議の負担も軽減するのではないでしょうか

私達にとってまだまだ経験の浅いWEB会議。
しかしそのスピード感から、スタンダードな会議の形として定着しつつあり、
”WEB会議をいかにスマートに負担なくこなせるか”という事が、
今後のビジネスにとって大きな要素となるでしょう。