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pixivが守ろうとしたものは?(役員セクハラ事件)

  • 2022年6月16日

漫画やイラストの投稿サービスのpixivが燃えています。

pixivの役員の男性が社員数名に対し度重なるセクハラを行っており、
被害者の社員の訴えにより、この役員は降格&被害者と同じ部署には配置しない
としたものの、訴えから1年間、被害者と同じ部署に在籍し、
セクハラも行われ続けたというもの。

この止むことのないセクハラに、被害を受けた社員は精神疾患を患い休職。
その後、慰謝料の交渉をするも、これも認められず提訴に踏み切った。
という流れです。

この被害にあった社員は毎日地獄だったでしょうね。
相応の覚悟をもって、事実を会社に訴え、これでやっと解決するかと思いきや、
まさかの同じ部署にとどまり続け、相変わらずセクハラも継続。

会社はこの最初の訴えを聞いたとき、どう捉えていたのでしょう。
”取るに足らない役員のお戯れ”とでも思ったのでしょうか。
役員の権限の大きさと、セクハラへの過小評価
そんなバックグラウンドがあったと思わずにいられません。

これが役員ではなく、一般の社員であったら対応は変わっていたのでしょうか。
また、セクハラではなく、傷害や窃盗であったらどうだったでしょうか。

pixivだけではありませんが、どうも日本の会社は
「セクハラと役員に甘い」傾向があります。

pixivの発表を見ても、やはりちょっとまだ甘く捉えている感がありますね。
(公開後に指摘を受けて一部変更したという記述がまた芳しいですね)

この件がpixivにまとめられているのがまたなんとも。

また再発防止ですが、
まず、この件が発生したという時点で”社内におけるセクハラ防止策は機能しなかった”
という事になります。
既存のセクハラ防止策はなぜ機能しなかったのでしょうか?
この”なぜ機能しなかったのか”という要因を追求しないまま、
”個人の素養有りきで、研修追加して終わり”というケースが非常に多いです。
わかり易く言うと、
「セクハラは良くないぞって言って皆におくから」という対応です。
これミスや製品不具合などの再発防止ならありえませんよね。
「ミスすんなよ、気をつけろよ」と告知するのが再発防止だなんて
聞いたこと有りません。

さて、今回のpixivによる再発防止はどうでしょうか。
pixiv株式会社のWEBサイトによると、

・外部専門家を交え、経営によるダイバーシティ&インクルージョンの理解と推進

・外部専門家も交えた現状分析、再発防止策策定、及び規定マニュアルの改定を定期的に実施

・社会的責任を果たすため以下の情報を公開

  ・ハラスメント防止に関する方針

  ・ダイバーシティ&インクルージョンに関する方針

・上記方針の社内での理解浸透を図り、教育体制の見直し、強化及び徹底

なんでしょうね、
ドキュメントとWEBサイトの作成作業にしか見えないのは
私だけでしょうか。

本気で今回のような事件を再発させないという、
強い意思もスキームも感じられません。

これはpixivが特殊なのではありません。
私達の周辺に日常的に繰り広げられている内容です。
明日は我が身。
いま一度セクハラに対する認識と、人によらない再発防止について
考えてみるべきかもしれません。