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いま一度パワハラの定義

  • 2022年6月22日

ハラスメントはいろいろありますが、
今回はその中でも多くの人が関係する可能性のある、
「パワーハラスメント」について取り上げたいと思います。

まずパワハラには定義があります。
厚生労働省が公開しているハラスメントに関するサイトでは、
以下のように定義されています。

1.優越的な関係を背景とした言動
2.業務上必要かつ相当な範囲を超えたもの
3.労働者の就業環境が害されるもの

この”3つをすべて満たすもの”がパワハラと定義されます。

ちょっとわかりにくいですよね。
3つすべて満たすということなので、順番を変えて並べてみましょう。

「優越的な関係を背景として、業務上必要かつ相当な範囲を超えた、労働者の就業環境を害す言動」

うーん、わかったようなわからないような(苦笑)

さらに厚労省のサイトでは、パワハラは以下の6種類の「型」に分類されています。

1.身体的な攻撃
例)殴打、足蹴りを行う。相手に物を投げつける。

2.精神的な攻撃
・人格を否定するような言動を行う。
・必要以上に長時間にわたる厳しい叱責を繰り返し行う。
・他の労働者の前で、大声で威圧的な叱責を繰り返し行う。

3.人間関係からの切り離し
・特定の労働者を仕事から外し、長時間別室に隔離する。
・1人の労働者に対し、同僚が集団で無視をし、職場で孤立させる。

4.過大な要求
・新入社員に必要な教育を行わないまま、到底対応できないレベルの業績目標を課し、達成できなかったことに対し、厳しく叱責する。
・業務とは関係のない私用な雑用の処理を強制的に行わせる。

5.過小な要求
・管理職である労働者を退職させるため、誰でも遂行可能な業務を行わせる。
・気に入らない労働者に対する嫌がらせのために仕事を与えない。

6.個の侵害
・労働者を職場外でも継続的に監視したり、私物の写真撮影をしたりする。
・労働者の機微な個人情報について、本人の了解を得ずに他の労働者に暴露する。

どうでしょう、皆さんは被害にあった経験はありますか?
私は2.の「精神的な攻撃」に複数の会社で遭遇した事があります。

当然ながら個のパフォーマンスはガタ落ちしますし、
それを横で聞いているチームのパフォーマンスも下がるでしょう。
この状態が続くと、やがてすべての行動理念が「怒られないために」になります。
怒られるのが怖いので、どこかに訴えるなんてもっと怖くてできません。
もちろん辞めることも。
上司の一息一投足に全神経を集中し、気分を害さないように振る舞う。

大きな声、近づいてくる足音
説明を遮り、怒鳴り散らし、
数時間おきの進捗確認
周りは明日は我が身と肝を震わせ仕事をする

毎日が地獄の日々でした。
さらに残念なのは殆どの場合、加害者本人にパワハラの自覚がありません。

パワハラは誰の身にも起こりえますし、
知らずのうちに自分がパワハラを犯しているかもしれません。

労使双方に大きなダメージを与えるパワハラ。
「ITで少しでもハラスメントが無くなれば」
そんなことを思わずにはいられません。