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取材対応の心構え

  • 2022年9月26日

前回まで広報のお仕事について紹介してまいりましたが、
今回は広報としての取材対応についてお話いたします。

広報の取材対応パターン

広報としての取材対応には大きく分けて
以下の3つのパターンがあります。

  1.   メディアから依頼を受けた取材をコーディネートする
  2.   取材をしてもらるよう企画を立案し、メディアに提案する 
  3.   トラブルなど回答しづらい内容に対して、広報が直接対応する

今回はもっとも一般的な1についてお話します。

取材は自社のサービスをメディアに
取り上げてもらう大きなチャンスです。
取材が有意義な時間になるかどうかは、
広報担当者のコーディネート力にかかっています。
記者は、世の中の状況や読者の興味関心に合わせて
企画を用意しているので、
その取材意図や背景をしっかりと理解したうえで、
記者の期待に応えられるような準備をしなければいけません。
取材が満足な時間になれば、
今後さまざまな機会に声をかけてもらえるような
良い関係を築くことができます。
また、対応してくれた社員の広報に対する
モチベーション向上にもつながります。
記者の聞きたいこと、書きたいことと、
「こう書いてもらいたい」という
社内の希望の双方をうまく調整する必要があるため、
言いたいことをまとめるだけの
広報文を作成するよりも難しい場合も多く、
広報担当者の気配りや調整力が求められます。

大前提として、取材と取材形式の広告は全く異なります。
取材は、記者が企画し、記事を作成するもので、
その過程で詳しく知りたい内容についてインタビューするものです。
何を書くか、どのように書くかを決めるのはあくまでも記者で、
取材を受けた企業側は、原則記事を確認したり、
書き方についてコメントできるものではありません。

タイアップ取材、取材形式の広告は、企業が広告掲載料を支払い、
望む形で取材風の広告を作成・掲載します。
この2つは全く違うものですから、
この違いを取材に立ち合う全員が理解している必要あります。
(この点は、取材対応者にもしっかり説明しておきましょう!)

取材対応では、記者の企画を理解したうえで、
なるべく自社の意図に合う形で
サービスを紹介してもらえるような流れを
コーディネートするのが広報の需要な役割です。
広報のコーディネート次第で取材の流れはかわります。
では、有意義な取材をコーディネートするために
広報がすべきこととはなんでしょうか。

記者の取材への期待を正確に把握する

記者がどんな企画のために、
どのような内容を取材したいのかを
なるべく詳しくヒアリングしましょう。
事前に、細かい記事のイメージを持って
取材に挑む記者も少なくないので、
遠慮なく聞いてみましょう。
取材の趣旨を理解するためには、
依頼のあったメディアを読み込み、
読者層や注力しているテーマなどを知ることが大切です。
また、記者の記名記事や、
他媒体の類似のテーマの記事を読み勉強する、
といったことが役立ちます。
特に、普段付き合いの少ないメディアや記者からの依頼場合は、
事前にしっかり勉強しておかないと
コミュニケーションがうまくいかないこともあるので要注意です。

適任者をアサインする

記者の取材イメージに合わせて、
社内から最適な人を探します。
これが意外と難しく、そして重要です!!
職位や経験、どのような立場で
サービスにかかわった人が適任かを想定し、
社内のメンバーにヒアリングします。
「取材」と聞くと、サービス開発からは遠い、
偉い人が出てきてしまうなんてこともあるので、
取材対応をお願いする際には、
取材の趣旨、記者が具体的に何を聞きたいといっているのか、
広報としてどのような立場のメンバーが適任だと
考えているかを詳細に伝えましょう。
記者の知りたい内容に対して、
一番熱量と責任をもって回答できる人をアサインできたら、
取材のコーディネートは7割がた成功です。
取材対応者のアサインについては、現場の意見は聞きながらも、
最終的な決定は広報担当者が責任をもって行うのが良いと思います。

取材対応者との事前準備

まずは、取材対応者にどんな企画で、
今回の取材がどのような位置づけかを説明し、
記者の理解度や興味分野などを共有しましょう。
また、企業としてアピールしたい点や
懸念事項を丁寧にヒアリングし、整理します。
競合サービスとの比較や、目標、
売上などは突っ込んだ話になることもあるので、
公開できない点も含めしっかり確認し、回答を準備しておきましょう。
また、市場背景や、複雑な技術などについては、
お渡しできる資料を用意しておくと親切です。

この3点を意識しつつ、記者とも、
社内メンバーとも密にコミュニんケーションをとっていけば、
良い取材をコーディネートできるのではないでしょうか。
取材は、記者とゆっくり話ができる貴重な機会です。
広報担当として聞きたいことなどは積極的に質問し、
メディアとの関係を深めていきましょう。

次回は取材対応者の心構えと、
取材の場での広報の振る舞いついてお話したいと思います。