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提供者の視点と利用者の視点の違い

  • 2022年10月4日

加藤です。

本日は提供者と利用者の視点の違いについて少々。

ある意味で永遠の課題ともいわれる提供者と利用者の視点の違いですが、
先に結論を言いますと「利用者の視点に合わせすぎると失敗することが多い」なのです。

これは経験の浅いマーケターが陥りやすい点でして、
マーケター=顧客の声とばかりに、
アンケートなどを重視して商品企画やイベント企画を進めてしまい、
結果大爆死というのはある意味で一度は通る道ともいえるものです。

では、なぜこうなるのか?
なのですが、利用者から見た場合、
「今欲しい」というよりも「あったらいいな」
をついつい言いたくなるという傾向があるからです。

そして、個人の視点であり、全体図に対しての意見ではないので、
小さな視点でのあったらいいな!が集まってくるわけです。
その「あったらいいな」は「実現してもそんなに興味がない」であることが多く、
結果として誰も欲しがらないものが出来上がるわけです。

ですので、提供者が本当に持たなければいけない視点というのが、
「ユーザーが今困っている点」であったり、
「ユーザーがいますぐこうしてほしいという要望」を吸いあげることなのです。
いうなら、革命ではなく進化を重視するというところでしょうか?

では、全く新しいものを送り出す際はどうなのか?
ですが、これも「ないと困るもので困っていることを探す」
というちょっと問答のような表現がでてきます。

あったらいいなは購買に結び付かないと先にお話したとおりですから、
ないと困るものの中で改善の余地があるファクターを探す、
これこそが成熟期に入ったいまの時代のプロダクトマーケティングだと私は考えます。

その昔、ある自動車メーカーは「我々が考えたものこそが最良である」
なんて言っておりましたが、今一度その考え方を見つめ直す時期かもしれません。

提供者は利用者の視点になってはいけないですし、
多くの利用者が手に取ってくれるものを作らなければ、
とても商売としては成り立たないからです。

立場による視点やアプローチの違いはこれに限ったことではないので、
ご自身の仕事上でのポジションでも
今回のように自分の視点がどこからどこを見ているのか
を一度見直してみてはいかがでしょうか?