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一度も使われていないマニュアル

  • 2022年10月26日

日々の業務に使われるマニュアル。
基本的ににマニュアルは使われるためにあります(当たり前ですが)
ただ、たま〜にしか使わないマニュアルってありますよね。
例えば発生頻度が少ない業務のマニュアルなど。

それ以外にも使われないマニュアルがあります。
それは緊急時の対応マニュアルです。
BCPなど、災害時のマニュアルもありますし、
最近では”社内でコロナ感染が広まった場合での業務遂行マニュアル”なんてのも聞きます。

この、”普段は使わないけどいざという時に使うマニュアル”というのは、
その内容が陳腐化していることが多いです。

まず基本的なことですが、マニュアルに
何をトリガーにして、”誰が”、”何を”、”どうする”
という記載が漏れるケースが多いです。
普段の業務のマニュアルならそんなことはないのですが、
これはどうしてでしょう。

それはその、”万一の場合”に対する想像力が足りてないからです。
これはある部分、致し方ないかもしれません。
普段起こらないことを想像してマニュアルを書くというのは、
なかなかスキルの要ることです。

ではどうしたらいいかというと、
マニュアルの記載方法に気をつけてみましょう。
タスクをリスト化し、そのタスクを実行するトリガーや誰が何をみたいな項目を
表形式で記入していきます。
そうすることによって、それぞれのタスクに対する項目の漏れが
明らかになります。
万一の場合に対するマニュアルの傾向として、
”決まっていない”ことが多いです。
・やることは書いてるけど、誰がやるか決まっていない
・やる人は決まっていても実行するための資料の記載がない
・やることは書いてあるが、どのタイミングで実行するかが記載がない
などなど、想像でマニュアルを書く場合はこの”決まっていない”が散見されます。

とは言え、想像で書き切るのも限界がありますので、
次に重要なのは”マニュアルの通り実行してみる”ということです。
いわゆる防災訓練の様なものですね。
ただ、この場合は極力実際の環境に近づけることが必要です。
コロナの社内蔓延時の対応であれば、
実施に普段業務を行っている数名が業務をせずに、
マニュアルに記載されたメンバーが、マニュアルに従ってやってみる
というような感じです。

その際、マニュアルに記載のない内容はやらない(できない)のと、
どんな項目が抜けていたのかをチェックしておきます。
「〇〇の手順書の通りに行い〜」とマニュアルに書いてあっても、
そのマニュアルの場所がわからなかったり、
ファイルサーバーに置いてあると記載があっても、アクセス権がなかったり
などなど。

実際にやってみて判明する部分も少なからずあることでしょう。
それをさらにマニュアルに反映し、本当にマニュアルを見て業務が実行できる
状態に持っていく必要があります。
実際にそのマニュアルを使用する機会が来ないかもしれませんが、
もし来てしまったら、マニュアルを見ても業務ができなかったことは、
大きな業務(経営)インパクトになってしまうでしょう。

普段は発生しないケースを想定したマニュアル。
その性質上、日頃は見向きもされませんが、
何もない時にこそ、そんな万が一の時のマニュアルを見直してみる
のも重要な業務の一つではないでしょうか。