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経営者が感じているもの、現場が感じているもの

  • 2022年11月17日

日々様々な会社と会話をしますが、
その中でよく感じることは、
経営者が感じている課題と現場が感じている課題が
多くのケースで異なっているということ。

まあ立場が違うので、当たり前と言えば当たり前ですが。

でもそれだと一つ困ったことが起こります。
それは現場の課題に対して投資が滞ってしまうということです。

当然ながら経営者が感じている課題に対しては
その課題の大きさや解消した時の効果が
自分でわかっているので投資もしやすいですが、
現場の課題に対してはどうでしょうか。

もし現場のアウトプットだけ見ている場合は
課題の存在にさえ気づかないかもしれません。
何より問題なのは、現場が抱えている課題が
どれほどのムダや損失を垂れ流しているかがわからないということが挙げられます。

これって現場の人たちに聞くとすぐさま言われます。
「〇〇が△△になればだいぶ楽になってミスも減るのに」

現場の人たちはミスの防止やアウトプット維持のために
様々な工夫をしています。
それを自らのノウハウとし、会社の中でのアイデンティティとする場合も多いです。
そのノウハウを会社の仕組みとして取り入れられれば良いのですが、
ほとんどは個人の中のノウハウとしたまま、仕組み化されることはありません。

ノウハウが個人にのみ留まることが加速していくと、
それは”属人化”となり、業務負荷の偏りやアウトプットの不均一さを引き起こします。
業務の担当が変わった際に「〇〇さんならできたのに」というセリフは
会社が現場の課題に投資せず、個人の創意工夫に依存し続けた結果引き起こされた、
属人化の状態を表す言葉です。

改めて、現場が抱えている課題がどれほどの損失を含んでいるか、
当たり前のように毎日見ているアウトプットにどれだけの
現場の削減可能な労力が含まれているかを
考えてみてもいいかもしれません。