何かを始める時に有効な手法としてPoC(Proof of Concept:概念実証)
というものがあります。

いきなり本番開始ではなくて、その理論(やり方)で、
期待する結果がちゃんと出せるかを、まずは小規模で実験実証してみる。
そしてPoCの結果を踏まえて本番を検討するというやり方です。

大規模投資の前に効果の予測が実証できる、非常に優れた手法ですが、
気をつけなければいけないことがあります。

「ガーベージイン・ガーベージアウト」
という言葉を聞いたことがありますでしょうか?
計算機科学の言葉になりますが、直訳すると、
「ゴミを入れたらゴミが出てくる」
意訳すると、
”無意味な(欠陥のある)データを入力しても、そこから生み出されるデータもまた意味がない(欠陥がある)ということです。

これをPoCに当てはめると、
”無意味なPoCをしてしまうと、そこで得られたデータは信頼できない”
ということになります。

PoCで実施するスコープ、期間、モノや評価軸など。
それらを間違ってしまうと、得られる結果はガーベージ(ゴミ)となってしまう。
「PoCやりました!成果が見込まれます!」という
ただ都合のいい結果だけが残ってしまいます。

PoCという工程を経るだけで、
なにやらプロジェクトの完成度が上がっているような錯覚に。
これはよろしくないですね。

PoCはロジックの証明です。
ガーベージからガーベージを生み出すことがないように、
ロジックを正当に評価するための、正しい条件と評価軸を持つことが
重要かもしれません。