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上司のタイプ

  • 2020年11月25日

これまで数社で秘書を担当してきましたが上司のタイプは様々で、
興味深い方が多かったです。
今回は真逆の上司2人のお話をさせていただきます。

気さくで明るい上司

 ある会社で担当した上司はとても気さくでマメな方で、
少しでも空き時間があるとフロアーを周って社員に声かけをされていました。
出張や何かの折のお土産や差し入れも、よくして下さっていました。

 業務中に上司が来ると緊張するものですが、
彼が通ったあとはいつも笑い声が聞こえてきていて、
緊張感を解きほぐすものになっていたように思えます。

 人柄が明るいというのもありますが、
世間話を自分からふっておいて聞いていなかったりツッコミどころ満載で、
彼が去ったあとは大抵みんなの笑い声が聞こえるのです。

 外資のような自由な社風の日系企業でしたので、上司との距離感も比較的カジュアルだったのかもしれません。

 私も上司と二人で打合せ中、右を見て左を見たら姿が消えていて、こらこらと呼び戻したこともあります。
緊張を和ませる愛嬌のある楽しい方でした。

 ですが、それと仕事はまた別のお話です。

 この方もあまり物事を気にしないタイプに見られていましたが、それは先入観です。
スケジュールは細かくきっちりと、仕事も前もって準備をしっかりとされて行かれるのです。
マメできっちりな人は相手にも同じ感覚を要求されることが多いので、
言われなくても連絡報告相談を細かく入れるように注意していました。

 何でもいいよーと言われる人の方が、察する力と能動的な仕事を要求される気がします。
より一層の観察力と客観性が必要になると思います。

気難しい上司

 異動や担当替えの際、前任者や周囲の評判で気難しいと言われている方を新規担当することになったとき、
何だかハズレくじを引いたような気分になったことはないでしょうか。

 秘書は相性の問題が大きいので、モチベーションも下がりますよね。
でも気を落とさず、先入観を持たずにご自身の感覚で判断してみたら、違う見方が生まれる時もあります。

 実は私も気難しいと言われる方を担当したことがあります。

 あまりの厳しさに担当した秘書が精神的に病んでしまったり、
長く続く秘書がいないという話をちらほら耳にしていましたので、担当替えを聞いた時は不安で仕方がありませんでした。
まずはとにもかくにも先入観を捨て、実際の人物像と仕事量を把握するべく、
自分の目で観察してみることとしました。

 実際担当してみると気難しいというよりかは、昔ながらの方で義理人情にとても厚く、人とのご縁や相手の気持ち、感謝や労わりの気持ちを大切に考えているわかりやすい方なのだという事がわかりました。
こだわりが強いので、今までの秘書が振り回されてしまっていたのではないかと、推察しました。

 昨今、殆どの企業で過剰なおもてなしは自粛するようになっている状況です。その会社でも経費削減がすすめられていましたので、上司の要望に全て応じることができません。
どうしたものか考えた結果、秘書室長に相談の上悪者になってもらい、これは対応不可という説明をしてもらいました。
担当秘書は上司の気持ちに寄り添うという事にした方がよいのではないかと考えたのです。

 そうすると頑なだった上司の態度が柔軟になり、他の業務もスムーズに行えるようになりました。
やはり、秘書には気持ちを理解してほしかった、という事のようでした。

 それからは気難しいなんて噂はどこ行ったというくらい、私にいつも気を遣って下さってやさしくて楽しい上司となりました。
業務量が多いのは変わりませんが、いつも感謝の言葉をおっしゃってくださるので、気持ちが楽になるのです。

 これまで、これほど「思いやりの心」を大切に表現される方を担当したことがなく、秘書として効率を最優先にしてきていた私は初心を思い出し、勉強になりました。

まとめ

 経験によって見えなくなることもあります。見方を変えれば状況も変わります。過ぎれば学びの一つに変わっていることも多いです。

 先入観はほどほどに、フラットな視点と初心を忘れずにがんばっていきましょう。