「マルチェロ・ガンディーニ」という人物を知っていますか?
もしかしたら知っているという人はあまりいないかもしれません。
では、こう聞きましょう。
「カウンタックというクルマを知っていますか?」
おそらくこれは知っているという人が多いでしょう。
カウンタックをデザインした人、それがガンディーニです。
カウンタックというワードが出てくると、話がそちらに振れてしまうので、
ここではガンディーニについて語ります。
ガンディーニのデザインしたクルマでもう一つ有名な車があります。
それはランチア・ストラトスです。
この2台に共通しているのは驚異的な全高の低さと
クサビのようなエッジの効いたライン。
そして特徴的なタイヤハウスの形状でしょうか。
両車ともリトタクタブルライトなこともあって、
かなり近しい印象を受けます。
そしてこのガンディーニのデザインを見ると、
プロダクトにとってのデザインの力は非常に重要で、
その効果は凄まじいものがあるなと思います。
しかもクルマというデザイン上制約だらけなモノのデザインで、
こんな素晴らしい造形が可能なんだということに驚愕を覚えます。
空力的に不利だという話もありますが、そのデザインが与える
ある種説得力のようなものは大きいですね。
無限の選択肢がある空間のなかで
こんなラインが描けることは一種の才能なのでしょうか。
そんなガンディーニさんが、2024年3月13日に亡くなりました。
享年85歳。
彼が生み出した素晴らしい造形物は、今後もずっと語り継がれていくことでしょう。
人類の遺産として。